こんばんは。YuuuuKiです。
今回は「謎解き」と「色」についての話です。
謎解きワールドでは、しばしば「色」を使った謎解きが登場します。
例えば、こんな装置。
各色のブロックの下のボタンを押すたびに、4種類の色が切り替わるようになっています。
謎を解いて正しい色の順番を知り、その通りに揃えるとチェストが開けられるようになる仕掛けです。
よくありそうなこの装置ですが、問題があります。
それは、人によっては非常に区別しにくい色の組み合わせが使われているということです。
色を認識する感覚のことを「色覚」と言いますが、すべての人が同じ色覚を持っているわけではありません。
例えば、ある二つの色がほぼ同じ色に見えたり、色を明暗でしか区別できなかったりする方がいます。(いわゆる「色弱者」と呼ばれます。)
その割合は、日本人男性の20人に1人(5%)、女性の500人に1人(0.2%)、日本全体では300万人以上とされています。
実際に僕の知り合いでも何人かいるので、まったく珍しくないですね。皆さんの周りではどうでしょうか。
色覚の違いには大きく5種類のパターンがあります。
C型
一般的な色覚。
P型
赤い光を主に感じる錐体(光を受ける視細胞)が無い、あるいは分光感度(どのような波長の光を主に感じるか)がずれている。
D型
緑の光を主に感じる錐体が無い、あるいは分光感度がずれている。
T型
青い光を主に感じる錐体が無いため、青色付近の識別が困難。
A型
色を明暗でしか感じることができない。
文字の説明を見てもイメージしにくいと思うので、ここで一つスマホのアプリをご紹介します。
このアプリではスマホのカメラを使い、C・P・D・T型の見え方をリアルタイムでシミュレートすることができます。(アルバムからも読み込める!)
冒頭で紹介した装置をこのアプリで見てみましょう。
P型だと左から1番目と2番目はほぼ同じ色に見えます。
D型は何とか区別できそうですが、同じような色が並んでいてわかりにくいです。
T型は区別はできるものの、他の型とは全く異なる色に見えますね。
ということで、このままでは謎解きにかなり支障が出ると思われます。
「赤、茶、黄、黄緑の順で並べろ」なんて書かれても、C型以外の人は混乱してしまいますね。
では、アプリを頼りになるべく区別しやすい色の組み合わせに修正してみます。
こんな感じでどうでしょう。先ほどよりは断然区別しやすくなったと思います。
以上、「謎解き」と「色」についての話でした。
僕が配布するワールドでも色を使った謎は多くありますが、先ほどのアプリを使ってなるべく区別のつきやすい色を使うよう心がけています。
なお、言ってしまえば色弱者は少数派なのに、そこまで配慮する必要があるのかという意見もあるかもしれません。
しかし、少数派への配慮は多数派への恩恵につながることがあります。
例えば、先ほどの装置はC型(一般的な色覚)の人にとっても修正後の方が見やすい色のように思います。
なるべく多くの人が楽しんでプレイできるワールドをこれからも制作していきたいと思います。
では、読んでいただきありがとうございました!
<引用・参考>
CUDの必要性 | カラーユニバーサルデザイン(CUD)とは | 北海道カラーユニバーサルデザイン機構